だらだらと書いていますので、また、追加です。
今回の件で審判所は、
まず、
①納税者に過少申告等の意図及びその意図に基づく過少申告行為等があったか否か、
次に、
②納税者に過少申告等の意図を外部からもうかがい得る特段の行動があったか否かの順に検討しました。
そして、この事件のポイントは、②の納税者に「過少申告等の意図を外部からもうかがい得る特段の行動があったか否か」でした。
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おおざっぱに次のようです。
①帳簿書類が作成していなかった。
②取引関係については、パソコンのデータや預金取引等から把握することができ、それらの記録は残っていた。
③パソコンデータ・預金等に基づき自ら処分可能なおおよその利益を把握することができた可能性がある。
税務署側は、税を免れる意図に基づき、事業に係る帳簿書類をあえて作成しなかったから重加算税の対象ですよ・・・と。
審判所は、帳簿を作成していないのは、正当な収入金額、必要経費及び所得金額を秘匿するためにとまでは断定し難い、として「本件事業に係る帳簿を作成していなかったことをもって、過少申告等の意図を外部からもうかがい得る特段の行動とまでは評価することができない。」としたようです。
だから、重加算税は取消しですよ・・・と。
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これまでも、無申告に対する重加算税の賦課決定は難しいと考えていました。
税理士が、こういうことを知っていると、調査の現場でそれを主張することができ、面倒な争いをせずに、落としどころの交渉ができたと思いますね。