男体山に登ろうとした男達の記録

雨が降るかもしれないが、山登りに行きます。

勤務していた時、年に数回、山のぼりに行きました。
定年後も、その友人たちと、年に数回、山に登ります。
定年退職をすると、勤務していた時代の友人たちとの付き合いが、どうしても、薄くなりがちです。

したがって、その計画が、とても楽しみです。

今回は標高差1200メートルの日光男体山です。
ところが、雨が心配です。

計画は、2日間の予定です。
1日目は、現地に集合し、近くの半月山へ足を慣らすために登る。
2日目は、朝の6時ころに宿を出て、本命の男体山に登る。

男体山の一般的なコースタイムは、往復で6時間くらいであります。
でも、我々熟年者は、登りに5時間くらいを予定しています。
(適当な時間です。違うかもしれません。私は、ついて行くだけなので、だいたいで聞いています。)

無謀な登山は計画していません。のんびり登山を当初から頭に入れています。

長い時間を必要とするかもしれないという、可能性の高い?リスクをしっかり ? 考えているのです ・・・

参加者たちは、東武日光駅から、車で参加した人の車に分乗して出発しました。
しかし、いざ出発という時に、空から、「ぽつぽつ」と雨が!
天気予報のとおりです。

とりあえず、予定していた、足慣らしのための半月山へ向かいました。

いろは

でも、車が走っている最中にも、フロントガラスに当たる雨粒は、次第に大きくなってきます。
とりあえず、半月山の登山口に向かってみようと車を走らせました。
その登山口にある駐車場に着くと、案の定、雨です。

半月山駐車場
「さあ、どうしよう」。

駐車場で傘を差しながらの相談です。

「ここがダメなら、どこで時間をつぶすかな・・・」、
「どこか、車で移動して、見物するところがあるかな・・・」、
「昼食は、ここへ来る途中のコンビニで買ってあるので、それをどこで食べようか・・・」、

などと話していると、チョット雨が止み、霧が晴れてきました。
「ん? 登れるかな?」

往復1時間半から2時間くらいのコースです。
たとえ濡れても、危険はありません。
ただ、濡れるのが嫌なだけです。そんなレベルなのです!

雨が止んで、ブッシュも無いということなので、スパッツだけを付けて登ることにしました。

特に問題なく、1時間弱で頂上に着きました。

半月山頂上から見た男体山1

頂上には、若い3人組の男性がチョット先についていました。
違うルートで登ってきたようです。
我々より、ずっと下から登ってきて、さらに隣の頂を目指すとのことでした。

頂上から、男体山が見えます。

「明日は、大丈夫だろうな!!」とみんなで希望的観測をして、「あの辺りから登って・・・」などと会話が弾んでいました。

半月山頂上から見た男体山2

その後、宿に入るには、まだ時間があります。

そこで、日帰り温泉に入ることにしました。

温泉寺

近くには、源泉掛け流しの「日光山温泉寺」がありました。
ひなびた感じで、とても良いです。

早速、一人500円也を支払って、チャッポン!
我々の他には誰も入っていませんでした。

温泉の管理人は「熱いですから、うめて入ってください!」とのことです。
入ってみると、やはり熱い。。大の男、それも団塊世代の野郎どもが「ウア! 熱い。」、「うめろ!」、「水!水!」と大はしゃぎです。。。

ご婦人方には、とても、この無邪気さをお聞かせできません。

混浴でなくてよかったです・・・?

後から入ってきた男性、ご本人の了解のもと撮影!

温泉は大好きなので、ほんとによかったです。

入浴を済ますと、そろそろ宿の時間です。

その後、民宿へ。

宿

早速ビールを飲みながら、明日の天気予報の確認です。

NHKテレビ、スマホの天気予報を見ながら、「明日は大丈夫だ! 予定どおりに6時に朝食を食べ、直ぐに出発をしよう!」

ということになりました。

夕食時も、また、ビールをちょっとだけ追加して、たくさんのおかずを食べながら「明日は大丈夫だ!」という楽観的な見通し立てました。

夕食後は、明日が早朝の出発ということあり、また、日ごろの運動不足からの疲れもあって、早めに就寝しました。
--------

男体山登山の当日です。

5時ころ、みんなが目を覚ましたので、外の様子を見てみることにしました。

すると、まだ、窓の外はうす暗い状況ですが、外のアスファルトに街灯が当たっている所を見ると、黒く雨の跳ね返りが見えます。

みんなは、「え?」・・・・
「何だ、雨か?・・・」

「雨だな・・・」、「どうしようか・・・」、「歩けるか・・・」「・・・」、「。。。」

みんなで天気予報の確認です。
NHK、スマホ、、、、
天気図によると、一日中、「薄いブルー」雨雲の予報です。

私は、ほとんどあきらめました。

あのアスファルトにあたる雨の跳ね返りを見るとそう思えます。

でも、常に前向きな熟年者たちは、雨は止むかもしれない・・・と、朝食は予定どおりに頂きました。

そして、宿で昼食のおにぎりを用意してもらい、予定通りに宿を出発することにしました。

再度、天気予報を恨めしそうに見ると、天気予報の天気図は、今も「薄いブルー」。

すなわち、降るか降らないかのギリギリです。

しかも、朝食などの準備をしている間に、雨はほとんど止んでしましました。
さあどうするか!

ここが、熟年、高齢者たちの的確な判断の見せ所です。

次の機会があるではないかと・・・・・・
次の機会まで、健康で生きようではないかと・・・・・
決して、「これが最後の機会だ!!」なんて思いません。
これで、生きる目的が一つ増えたではないか・・・(チョット大げさか ? )

単に、濡れてまで山に登りたくないよ・・・・と考えた者がいたかもしれませんが、確認はとれていません。
(え! 私ではないですよ。)

車で山の登り口を通ると、まだ、「登れるのかな・・・」と未練の声が誰ともなく発せられます。

その、後ろ髪をひかれるような思いで、変更したところの目的地である「戦場ヶ原の赤沼車庫」に着きました。

マップ

普通でしたら、この散策コースであっても、十分に楽しいのですが、今回は本来の目的地ではありません。

でも、熟年世代は、いろいろな困難を気持ちの切り替えで乗り越えてきました。

その経験を今回も生かすべく「さあ、歩くぞ・・・」とヤッケとスパッツ程度の装備で元気に歩き始めました。


熟年部隊の皆さん

辺りには、他の散策の人たちが思い思いのカラフルな装いで楽しそうに歩いています。

歩くと言っても、皆さん、そのまま山へ登れるような服装です。

泉門池

途中、雨が上がりそうになると「登れたかな・・・」などと言う、未練がましい者の声が聞こえたような気がしますが、誰の声か分かりません。

湯滝

昼食は、木道の広くなっている、男体山が正面に見えるような所です。

「何やっているんだ。登れたのに・・・」と言っているような男体山の頂上が微かに見えました。
あれが希望の!

お弁当は、おにぎりの大きなのが2個とお新香、卵焼きでした。
宿のおかみさんが「山へ登るには、このくらい大きなおにぎりが必要だろう!」と考えてくれたのだよ、と、みんなで感謝しながら食べました。


名前も知らず

そして、トレッキングとして見れば、かなりの距離を歩いて、今回の山登りの旅は終了となりました。

再挑戦は、来年の、雨が少ない時期に、計画しましょう、、という固い決意表明をいたしまして!御開きです。

お疲れ様でした。

※ 隊長幹事さん、本当にお世話になりました。